手強い根尖病変
40代女性の患者さん
以前、治療した右下奥歯の歯茎が腫れてきた。歯も少し動く感じがする。
【レントゲン】

歯の神経の治療を受けた右下7番に根尖病変は見られましたが、デンタルX線写真だけでは根尖病変が写りきれないため、パノラマも撮影

後方の智歯にまで及ぶ大きな根尖透過像が見られます。
患者さんには、歯の根の細菌感染が原因と思われるが、かなり難しい状態で、保存できるかどうかは五分五分であると説明。
当院での治療を希望されたため、まずは再根管治療を行い、歯の反応を見ていく方針としました。
治療1回目
しっかり入った金属の土台を除去して感染歯質を丁寧に取り除いた後、レジンで隔壁を作製し、抗菌薬を処方してこの日は無理せずに終了。
治療2回目
根に詰めてある根充材(ゴム)を除去すると遠心根から排膿を確認。
ラバーダム防湿下で特に遠心根を次亜塩素酸Naでよく洗浄

治療3回目
来院時、腫脹は小さくなってきたもののまだ、遠心根から排膿が続いていたため、
根管を拡大しながらさらに次亜塩素酸Naで根管を徹底的に30分間洗浄
治療4回目
腫脹は消退したが根管からわずかに排膿していたため、次亜塩素酸Naで20分間洗浄
治療5回目
根管内は排膿も止まり綺麗になっていたが、念のため、次亜塩素酸Naで20分間洗浄
ここで根管充填を行うことも可能でしたが、慎重な?私の性格が出てしまい
「もう一度だけ様子を見よう」となりました。
この性分、なんとかしたいものです(笑)
治療6回目
排膿も完全に消失し、根管内は清潔な状態となったため根管充填
その後、仮歯を入れて3か月経過観察をしたのち、金属冠をセットし終了しました。

あとは、根尖病変が治ってくれるのを祈るだけです。
【1年6か月後のレントゲン】

昨年の冬に1年半ぶりにレントゲン写真を撮影させていただいたら、幸運にも歯根周囲の骨がだいぶ出来てくれました。
私は根管治療の専門医ではないので、手強い根尖病変の治療は毎回、心の中で冷や汗を流しながら治療していますが、患者さんご自身の免疫力にも大きく助けられたのではないかと思います。
今回のようなケースは専門医を頼られるのも一つの手です。
長々と書きましたが、締め言葉としましては、
”私の蘊蓄ブログを読んでいる時間があるなら、定期的に歯医者さんに行って健診を受けて、レントゲンを撮ってもらいましょう” です(笑)


